所得税は、以下の手順で算出される。
(1)給与収入−給与所得控除=給与所得
(2)給与所得−人的控除−その他の控除=課税所得
(3)課税所得×所得税率−控除額=所得税額
(4)所得税額−税額控除=納付する所得税額
源泉徴収票を見ていただければ分かるが、
@給与収入とは会社が年間に支払った給与や賞与のの総額であり、
いわゆる「年収」である。
Aここからかかった経費を差し引くことで「所得」が出る。
給与所得控除は、サラリーマンとしての経費と考えてよい。
(参考:
平成20年分の給与所得控除額)
(参考2:
他の所得控除)
B人的控除は以下の21種類。
「配偶者控除(4種)」「配偶者特別控除」「扶養控除(8種)」「老年者控除」「寡婦・寡夫控除(3種)」「勤労学生控除」「障害者控除(2種)」「基礎控除」
Cその他の控除とは、以下の通り。
「社会保険料控除→各種年金の掛金、国民年金等の健康保険掛金、後期高齢者医療制度掛金や、申告者がそれを肩代わりした分」
「生命保険料控除→一般、個人年金。」これは支払証明書に記載あり。
「地震保険料控除→旧長期損害保険料にかわる控除。」
*会社が年末控除を行う場合、厚生年金などは会社にデータがあるので自分で申告する必要はまずないだろう。Bにおいては「扶養控除等申告書」、Cは「保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」で、支払証明書を添付して申告する。
ただし、Bにおいては「扶養できるか否か」「生計を一にしているか」が大きくかかわってくる。そのため、場合によっては課税証明書を取り寄せたり、遠隔地に住む扶養者に送金をしている旨を証明する「申立書」を付したりする。
(税法上の扶養と、健康保険の扶養は基準が異なる。
住民税の非課税限度額→100万
所得税の非課税限度額→103万
配偶者控除の基準→103万
配偶者特別控除の基準→103万越え141万未満
国民健康保険の被扶養者→130万
厚生年金の被扶養者(国民年金の3号被保険者)→130万
)
給与所得からB、Cを引いたものが課税所得になる。
よく間違われるが、「医療費」は年末調整では控除されない。
自分で確定申告を行おう。
D課税所得額に見合った税率をかけ、さらにその課税所得額に見合った控除額を引くと所得税額になる。
(参考3:
税額早見表)
Eさらにこの所得税額から税額控除をすると、納付する税額がようやく算出される。
税額控除は「住宅借入金(取得)等特別控除(初年度は自分で確定申告を行う必要があり、二年目以降借入金が残っている場合控除される。)」「政党等寄付金特別控除」「配当金控除」などがあるが、直接所得税額から差っ引くので効果絶大。
これが、おおよその全体像だ。
このように、あの手この手で控除が受けられるのだが、給与計算をする会社側が個人がどのような金の動きをさせているかは把握不可能なので、把握できる分(つまり必要最低限)の税をあらかじめ給与から徴収して納付してくれている。これが源泉徴収だ。
年内最後の給与が支払われると同時に年収が確定するので、各種申告書に基づいて精査をし(「保険料控除申告書以下略」は、証明書の送付が遅れることがよくあるので、翌年1/15までに添付すればよいことになっている)税の過不足を調整し、還付・徴収を行う。これが年末調整だ。め、めんどい・・・・・・